【ネタバレ】ニューダンガンロンパV3考察

ニューダンガンロンパV3を今更やったので考察します。

【ネタバレ】思い出しライトの考察

正直、思い出しライトは、作中でも屈指のオーバーテクノロジーで、割と何でもアリな部分なんで、深く考えても仕方ない気もするけど……
作中の描写や台詞をそのまま信じると、色々と矛盾点があるので、考えてみたいと思います。


■思い出しライトは記憶を植え付ける道具なのか?


六章で、最原が思い出しライトは記憶を植え付ける道具だと推理し、
モノクマも思い出しライトは記憶喪失を治す道具ではなく、記憶を植え付ける道具だと補足していました。

そのあとのモノクマの説明では、思い出しライトの光は情報を光に変換したもので
その光が脳に直接情報を届けることでデジェヴュのようなものを引き起こす……
と言っていましたが、これは以下の三つの描写と矛盾しています。

モノクマーズパッドの動機ビデオに思い出しライトの機能があった。
②首謀者である白銀つむぎも思い出しライトを何回も浴びている。
③思い出しライトのセットアップが選択式で『思い出したい記憶の項目を選んで下さい。』と出てくる。

ここから上記の三つに対し、一つずつ考察していきます。

モノクマーズパッド動機ビデオに思い出しライトの機能があった。

動機ビデオに思い出しライトの機能があるのは間違いなく真実でしょう。
2章の裁判後、東条が動機ビデオを見て思い出したと言っているので。

もし、東条が動機ビデオの内容を思い出さなかったとすれば、彼女は影の総理大臣として働いていたという内容を信じないはず。
自分が有能だということを自覚していたとしても、さすがにビデオの内容は突拍子もないので事実とは思わないでしょう。
なので、動機ビデオに思い出しライトの機能があったのは間違いないと思われます。

しかし、そこで矛盾が出てきます。
モノクマの言うとおりに、思い出しライトが記憶を植え付ける道具なのだとしたら、
ほかの人間が動機ビデオを見たときもなんらかの影響を受けるはずだからです。
デジャヴュが起きるなり、謎の情報により混乱するなり……
しかし、そういった描写はまったくない。

そこから導き出される考えとしては……

・動機ビデオは本人しか影響しないタイプの思い出しライトで、懐中電灯型は全員に影響のあるタイプの思い出しライトであった。
・動機ビデオは思い出させる思い出しライトで、懐中電灯型は記憶を植え付ける思い出しライトであった。
・あまりにも矛盾している記憶は整合性がないので植え付けられない。
モノクマの発言が嘘で思い出しライトは、本当に思い出させるライトだった。

の四つぐらいでしょうか?
この四つの推論には結論付けせず、次に行きます。

②首謀者である白銀つむぎも思い出しライトを何回も浴びている。

もし、思い出しライトが記憶を植え付ける道具だとしたら、特に白銀つむぎは大変なことになっているはず。
全てのことを覚えている首謀者である彼女は、自分の中に相反する記憶が共存している状態になってしまうので大混乱でしょう。

後述する思い出しライトセットアップの項目と少し被りますが、
思い出しライトは記憶の整合性に関しては、ある程度留意しています。
思い出しライトを作るときにほかの記憶にあわせて自動調整したりしているので。

これを考えると、先に挙げた四つの推論の内

・動機ビデオは本人しか影響しないタイプの思い出しライトで、懐中電灯型は全員に影響のあるタイプの思い出しライトであった。

これは消えると思います。
15人にのみ影響のある光……というのは若干アンフェアでしょう。

・目を瞑っていれば回避できる。
・白銀の眼鏡に思い出しライトを防ぐ機能が付いている。

などの可能性は考えられますが(さすがにちょっと無理がある?)
一旦除外したいと思います。さすがに、なんでもアリになっちゃうので。

③思い出しライトのセットアップが選択式で『思い出したい記憶の項目を選んで下さい。』と出てくる。

最後は思い出しライトのセットアップ画面からの情報です。
なぜか、思い出しライトの作成画面では、思い出させる記憶が選択式です。
しかも、選べる項目は数個と非常に少ない。

これに理由付けするならば、

ゲームマスター(セットアップ時の首謀者の表記)が長々と教室にいるわけにはいかないので、ぱぱっと作れるように選択式だった。
・思い出させる記憶には制限がある。

のどちらかでしょうか?

続いて、『思い出したい記憶の項目を選んで下さい。』というセットアップのメッセージです。

本来、首謀者(ゲームマスター)しか使えない装置で『思い出したい記憶』という言葉が出てくるのは不自然です。
まず『思い出させたい記憶』であるべきだし、記憶を植え付ける装置なのだから、植え付けたい記憶と表現してもいいはずです。
こうなってくると、思い出しライト=記憶を植え付ける道具、というのが怪しくなってきます。

もっとも、6章の裁判で最原が思い出しライトを記憶を植え付ける装置だと推理したあとも、
白銀やモノクマ――首謀者側は思い出しライトの効果を『植え付ける』だけでなく『思い出す』や『生み出す』と表現しているときもあります。なので、これは単に表記がブレているだけの可能性もあります。
更にいえば、次の裁判で明らかにされる事柄なので、ここでは(ゲーム的に)伏せていただけかもしれません。

上に挙げた①②③のことから、思い出しライトがその場で記憶を植え付ける道具であるというこには疑問が残ります。
この三つの矛盾をクリアしようとすると、以下のようになると思います。

■結論

思い出しライトは植え付けていおいた記憶を、自由に選択して思い出させることができる装置なのでは?

こうすると大体の問題が解決します。

①動機ビデオが本人にしか作用しない。
 →植え付けられてない記憶は思い出せない。
②白銀つむぎも浴びている
 →植え付けられてない記憶は思い出せない。
③思い出しライトのセットアップについて。
 →選べる項目が少ないのは、植え付けて(封印して)ある記憶がそれだけだから。
 →思い出したいという表記は、本当に思い出させているから。
  →(状況次第ではゲームマスター以外の参加者にも使わせる予定があった……?)

問題はモノクマの発言です。

「最原クンが言った通りなんだよ。“思い出しライト”って記憶喪失を治す道具じゃなくて…」
「記憶を植え付ける道具なんだ。」
「ちなみに、あのライトから出る光はただの光じゃなくて、情報を光に変換した情報光線で…」
「それが直接的に脳に情報を届ける事によって、デジャヴュのような現象を引き起こすんだ。」

ここからは言葉の解釈の問題になってくると思います。

思い出しライトが記憶を植え付ける道具。
 →ここで指している思い出しライトは懐中電灯だけではなく、
  記憶に関する装置すべての総称としてのことではないか?

 →現にモノクマーズパッドの動機ビデオも、思い出しライトである。

情報光線が直接的に脳に情報を届け、デジャヴュのような現象を引き起こす。
 →『デジャヴュ』――既視感。つまり、過去に見たことのあるような気のする光景。
 →デジャヴュを起こすには過去に一度、同じ光景を経験していないとならない。
 →情報光線で再度経験するからこそ、デジャヴュと表現したのでは?

こう解釈すれば、モノクマの発言の矛盾も解消されると思います。

若干、牽強付会ですが、思い出しライトは
『植え付けたあとに封印しておいた記憶を思い出させる装置』
と、考察したいと思います。
後々この考察を元に、ほかのことも考察してみます。